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低燃費制度 重いクルマ…緩くなる基準

■重量かさ上げお引っ越し
燃費基準を達成した自動車を、国が「燃費基準達成車(低燃費車)」として認定する制度について東京都が抜け道の存在を指摘している。

国の基準は自動車の重量が重くなるほど緩くなるため、本来は基準を満たさない車にパワーシートなどを搭載し、重量をかさ上げした“見せかけ”の達成車があるためだ。『お引っ越し』という業界用語まである。都では、より厳密な基準を設けることを国に働きかけることにしている。
国は省エネ法で定めた燃費基準をクリアした自動車を「低燃費車」と規定。該当車には緑色のステッカーを与え、公的なお墨付きを与えている。お墨付きを得ることは、エコカー減税などの優遇策を受けるための前提基準ともなっている。
「この基準設定に自動車業界用語で『お引っ越し』と呼ばれる抜け穴がある」というのは都の担当者。国の燃費基準値は「重い車=燃費が悪い」という理由から、車の重量区分に応じて設定されている。担当者は「重量区分が階段状に設定されている点に問題がある」と指摘する。
例えば「平成22年度燃費基準」では、一般乗用車を重量に応じて9区分に分類。重量が703キロ未満の車ではガソリン1リットル当たりの走行距離が21・2キロ。703キロ以上828キロ未満では同18・8キロで燃費基準を達成する。
わずかな重量差で基準値が変わるため、本来なら基準値を満たさない車でもパワーシートやサンルーフといったオプションを追加してかさ上げするケースがあるという。「燃費は悪くなる一方なのに、なぜか制度上の環境性能は上がり続け、いつの間にか低燃費車の区分に“お引っ越し”。あげくにエコカーとして減税が適用される不思議な現象が起きている」(都担当者)
都の指摘はそれだけにとどまらない。エアコンやカーナビなどの電装品は現代車の必需品。ところが国の燃費制度ではこれら電装品を除外した車単体での燃費基準を採用している。都では「メーカーが電装品の省エネ化を図るインセンティブに欠ける」と指摘。電装品の消費エネルギーを含めた基準値を定めるように国に求める方針だ。
これに対して、国土交通省は「区分を細分化すると燃費試験に膨大なコストがかかる」と説明している。
都が厳格な基準作りを国に求めることには、都内で自動車から排出される二酸化炭素(CO2)排出量が、都内のCO2総排出量5578万トン(19年度)の4分の1におよんでいるという事情がある。
都では「制度を決めるのは国で、自治体ではどうにもならない。国の基準の抜け穴を指摘して改善を促したい」と、国が来春にもまとめることにしている新燃費基準の設定に都の考えを反映させたい考えだ。

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